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学振特別研究員 申請書(DC1/DC2/PD)の書き方:審査員視点を忘れるな

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2016.5.5更新

学振申請書を書く季節ですね。こんにちは。

私は大学院生時代、学振のDC2に申請を出して採用された実績がある、博士号取得済みの社会人です。また、後輩達の申請書を添削して彼らが採用されたという実績(?)もあります。自分の申請書を今読み返してみても、なかなか良く書けているなぁと思うところは結構あります。

今回は、学術振興会特別研究員への採用を目指す皆様に向けて、学振申請書の書き方について、採用される書類作成のアドバイスをします。考えるべきことはシンプルです。審査員の目的を満たし、仕事のサポートをすること。これに尽きます。

 

あなたの目的 (学振に採用されること)

まず当然ですが、申請書を書き始める前に、どうすれば採用されるかを考えます

あなたの目的は、申請書を読んでもらうことではなく、採用されることです。申請書は唯一の手段となるためとても重要ですが、あくまで手段です。目的は採用されること。

採用されるためには何が必要か。要項を読んで考えてみます。すると、次のようなステップを経ることで、あなたは採用されることになることがわかります。

 

(1)あなたが申請書を書く。

(2)選考委員が申請書を読み、評価指標に基づいて採点する。

(3)その点数が高得点であればあなたは採用される。

 

要するに、(3)高得点を取ればよいのです。

ですがおそらく多くの申請者らは、そのために必要な(2)を研究していません。

得点を決めるのは、審査員です。あなたは審査員のことを知り、審査員の視点に立って、採用されるべき書類を書く必要があります。審査員とは誰か。審査員は申請書のどこをどう読むのか。評価指標があればそれはどんなものか。これら(2)を研究することで、ようやく(1)の申請書を書くことが始まります。

それでは(2)の審査員についての研究を始めましょう。

 

審査員の目的 (採点すること)

・審査員ってどんな人

 下記の通り、特別研究員等審査会と呼ばれる審査員で合計1855名程度。ちなみにH28年度の全申請者数が12,000人程度。

特別研究員の選考は、我が国の第一線の研究者で構成される特別研究員等審査会(委員55人、専門委員約1,800人)において、書面審査及び面接審査により行われます。

 書面審査セットというグループがあり、その中で審査が行われるようです。複数の細目を跨ぐグループがほとんどです。つまり、専門が完全に一致しているわけではない人達も多く含まれるということ。そしてその審査員たちは、定められた期間(一ヶ月程度)のうちに、分野によっては数十件読み、審査するとこのと。

書面審査セットとは、書面審査を行うためのグループです。
審査は、申請者の分科細目に応じて行いますが、申請件数が少ない細目については、適切な相対評価ができるように、関連する細目を組み合わせてグループ化しています。

 

・評価指標とは

 募集要項の中にある「選考方法」の中に下記のような記述があります。

書面審査による評価は、①研究者としての研究能力・将来性、②研究計画、③研究業績のほか、学位の有無などを含めて総合的に研究者としての資質及び能力を判断した上で、5段階の評点(5:採用を強く推奨する、4:採用を推奨する、3:採用してもよい、2:採用に躊躇する、1:採用を推奨しない)を付けます。なお、DCについては研究経験が少ないことから申請書記載の「現在までの研究状況」、「これからの研究計画」、「自己評価」及び「評価書」を重視し、PDについては「研究業績」を重視して評価します。また、RPDについても「研究業績」を重視しますが、出産・育児による研究中断が不利にならないよう配慮し、研究現場復帰後の将来性も考慮して評価します。 

つまり、①研究者としての研究能力・将来性、②研究計画、③研究業績を指標として点数つけますよということ。 

 

・審査員の目的

 ではここで、ちょっと変わった視点ですが、最も大事な審査員の「目的」について考えてみましょう。

 

 多忙な審査員のもとに大量の申請書類が届きます。審査員の目的(仕事)は、多数の書類に目を通し、点数をつけることです。あなたの書類もそのなかに紛れ込んでいます。

 点数をつける際、ありがたいことに評価指標があります。審査員の目的は、定められた評価指標(①研究者としての研究能力・将来性、②研究計画、③研究業績)に対して適切に点数をつけることに他なりません。

 大量にある書類を前に、評価指標に該当する箇所を探し出し、評価していく作業は気の遠くなるものです。そんな中、評価指標に該当する箇所が、紙面上にキラキラ輝いていたらなんと素晴らしい申請書に映ることでしょうか。キラキラした箇所を拾い読みする程度で、すんなり申請書を理解できたらなんと素晴らしいことでしょうか。

 申請書は、「伝わったことが伝えたこと」であることを意識して、超読み手視点で書く必要があります。あなたはあなたの素晴らしさを正しく評価されるべく、その答えを発見してもらいやすい形で、書類を書く必要があるのです。この視点で、より正しく「伝わる」書き方について説明します。

 

伝わる書き方の例

特別な書き方があるわけではありません。ですが、審査員が審査しやすい形で文章が書かれており、かつこの申請者は優れていると感じさせる書き方になっていることが必要です。

・1対1の対応

 例えば、これまでの研究成果はどんなんですか?というお題に対しては、その答えを1つだけ説明する気持ちで記載する。基本は全て1対1。その答え"1"の中にいろいろと細分化される項目があるはずなので、それを説明したい場合は、ピラミッド型の文章構成であれば、細分化した項目を説明をしてもよい。まず冒頭で答えを1つ述べる。それについての細かい説明を続けるという書き方。

 ピラミッド型の文章構成とは、例えば簡単な例では、「これまで申請者は◯◯◯についての研究を行い、◯◯◯を明らかにしてきた。◯◯◯のメカニズムを説明する上で、(1)◯◯と(2)◯◯の機能の理解が重要であるとの結論に至った。(1)◯◯は...」というような書き方。

 

・拾い読みさせる

 重要なところだけゴシック太字にして、そこだけを拾い読みすれば全体が理解できるようにする。また、図だけ追っていけば内容がわかるような構成も審査員にとっては読みやすく、理解しやすい。理想的には、ゴシック太字にした箇所と、図表がリンクしており、そこだけを拾い読みすれば内容が理解できるような構成を目指す

 

・直接的な表現を心がける

 審査の指標となる重要な箇所については、特に直接的な言葉で記述すべきです。たとえば、研究の独創的な点を説明しなさい、というお題に対しては、「申請者の研究の独創的な点は、◯◯◯を◯◯◯した点である」というように、直接的な表現を心がけるべきである。このように記述することで、審査員は大事な部分を頑張って探す必要がなく、本当にそうか?というところだけを読み取っていけば良いということになるので、大幅に負担が減ります。

 

今あなたがやるべきこと

自分の申請書を書き上げる前にやるべきことがあります。まず、筆を止めてください。次のことをやってみて、申請書の書き方を研究します。これは、自分の申請書を書き上げる前にやることが重要です。一度書き上げてしまった申請書は、質が悪くても、自分の目には良い申請書に映ってしまいます。

1. 学振に採用された人の申請書を集める(先輩から)

2. 学振に採用された人の申請書を集める(Webから)

3. 集めた申請書を採点する

 

1. 学振に採用された人の申請書を集める(先輩から)

身近に学振に採用されている先輩がいれば、その先輩から申請書をもらいましょう。先生からもらうのも手かもしれません。ただし、先輩がたくさん採用されている研究室は一握りだと思いますので、その場合はWebから拾い集めます。

 

2. 学振に採用された人の申請書を集める(Webから)

Web上には公開されている申請書がたくさん転がっています。

実際に採択された学振・科研費申請書 | 科研費.com

日本学術振興会特別研究員(DC1)申請書・学振 - 自然言語処理グループ - 筑波大学

他にもたくさんありますが、探し方のコツは下記の通りです。いい方法だったので引用させていただきました。

研究室の先輩から貰う方法が一般的だと思いますが、ウェブでも何通か公開されています。以下のような申請書に必ず含まれるフレーズを使うと効率的に探せます(様式の改変が禁止されているため)。

http://www.mibel.cs.tsukuba.ac.jp/~ceekz/dc1/

 

 3. 集めた申請書を採点する

集めた申請書を「じっくり」研究するのはさきにとっておきましょう。まずやることは、「短い時間で採点」してみることです。審査指標は先にあげている通りです。このように審査員視点で書類を眺めることで、いい申請書とそうでないものの違いが、はっきりとわかります。採点が終わったら、なぜいいと思ったのかをじっくり研究してみます。

そして、いいなと思った申請書の書き方を、まずは真似ます。いい構成を、いい表現を、どんどん真似ます。真似た後に何度も推敲していくことで、自分の申請書だけにある良さがでてきます。そこがあなたのオリジナリティです。

 

最後に

採用される申請書を書くために必要不可欠な考え方として、審査員視点で書くという考え方について説明した。

書き方のテクニックに関しては、他にもたくさんあると思うが、今回はこの辺で。もし需要があるようであれば、テクニックの部分について、更に内容を充実させていきたいと思う。

これから申請書を書く皆様が、学振研究員として採用され、素晴らしい研究と研究生活を送られることを祈っております。

 

学振申請書の書き方とコツ DC/PD獲得を目指す若者へ (KS科学一般書)

学振申請書の書き方とコツ DC/PD獲得を目指す若者へ (KS科学一般書)

 

 

 

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