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書籍「タテ社会の人間関係--単一社会の理論--(中根千枝)」から学んだこと

いわゆる「タテ社会」という言葉。

この言葉を聞いて、良いイメージを連想する人は少ないだろう。

その理由は、「タテ社会」=「強力な上下関係」というイメージがあるからではないだろうか。

しかし、「強力な上下関係」とは、ある一つの集団における「人と人との繋がりが強い」ことであり、言い換えると「論理よりも感情を中心とする関係性」であるとも言える。

このように言うと、タテ社会とは、一概に悪いことばかりでもないように思える。だからこそ、私たちは「気持ちよく」、そこから抜け出そうとせずにタテ社会を生き続けているのである。

書籍「タテ社会の人間関係 (講談社現代新書)」を読み、自分がどんなタコツボに属している可能性があるのかを、社会人類学的に考えてみた。

 

ここでは、「タテ社会」と、その対義語としての「ヨコ社会」を比較して、それぞれの良いところをまとめてみる。そして、イノベーションを起こすための社会構造のあり方に思いを馳せてみることにする。

 

タテ社会とは

タテ社会とは、単一性が強い社会の事をいう。会社を例にして、タテ社会を図式化すると下図のようになる。A社〜D社は、お互いの会社同士の人的関わり合いが薄い。例えば同じ資格を持ったエンジニア同士での交流は極めて少ない。また、単一社会性が強くなっていくと、それぞれの会社は、仕事を分業し合うという考え方が薄くなり、自社で可能な限り多くの事業を持ち、多くのパイを奪おうとする。その結果、会社間の競争が激化することになる。

タテ社会の良いところは、「人と人との繋がりが強い」ところである。実はその結果、資格の異なる者の間でのモビリティが高くなり得る。

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ヨコ社会とは

ヨコ社会は、「単一社会」性が弱く、同じ資格を持つもの同士の関係性が強い社会のことを言う。同じく図示すると下図のようになる。別の会社であっても、例えば、同じ資格を持つエンジニア同士の繋がりは強く、仲間である意識が根付いている。その一方で、同じ会社であっても、別の資格を有するもの同士のモビリティは低く、単なる契約関係に他ならない。

ヨコ社会の良いところは、単一社会性が弱いため、同時に複数のコミュニティの属することができることである。事実上複数の会社に属していなくても、「この会社」がダメでも「別の会社」があると考えられる意識がそもそもあるため、無意味な焦りや強迫観念を持ちにくいのではないかと思われる。

 

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イノベーティブな社会とは

では、どちらの社会がイノベーティブになり得るのだろうか。上に挙げた2つの図からもわかるように、どちらの社会も一つのタコツボに属している。タコツボに属するのは構わないが、タコツボに属していることを理解し、その分類を一度ひっくり返してみる必要がある。全てを引っ掻き回して、本当に大事な繋がり・ラインを見つけることが、イノベーションへの近道である。それは例えば、下図のように斜めのラインかもしれない。

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意識することは誰にでもできる。全ては、気づき、考えることから始まる。それは難しい、と言った時点で終了である。 

 

読んでみては 

オススメです!

タテ社会の人間関係 (講談社現代新書)

タテ社会の人間関係 (講談社現代新書)